異種族が入り乱れて普通に生活をしている世界で夜にひっそりと開くコーヒー店を運営している主人公の視点から様々な人間ドラマが展開されるゲーム。
それがコーヒートークです。
自分が本当にバリスタになった気分にさせてくれるし、ゆったりと流れる時間とありがちだけども共感できる人間模様に虜にされます。
コーヒートークをトロコンしたうえでの評価・感想を紹介します。
総合評価:93点
シナリオ:91点
グラフィック:90点
音楽:97点
ゲームシステム:94点
良かったところ
隠れた名作と呼ぶにふさわしいコーヒートーク。
コーヒートークの良かったところを紹介します。
異種族を題材にした現実の人間ドラマと若干の伏線回収
コーヒーを提供する動作があるがそれ以外はテキストを読み進めるだけのノベルゲームです。
ノベルゲームだからこそストーリーはピカイチです。
異種族だからこそある差別問題による家族の無理解、父と娘の対立、お互いの立場を超えた友情など各キャラ同士で関係が連鎖していきます。
現実世界でもありそうな問題を異種族というテーマで見事に描き切っているところが見事です。
異種族同士の意味のないこだわりなどプレイする側からすればくだらないことだと思わせる気付きも素晴らしいです。
しかし、単なる説教ものではなくそのくだらない中でも必死に思い悩んで試行錯誤して自分たちなりの解答を出していく過程がじんわり感動できます。
結果としては王道の展開ばかりですが、そこの答えに行くまでが含蓄のある言葉の連続でいつの間にか王道ストーリーなのに飽きずに楽しめている自分がいます。
そして、物語を通して若干の伏線回収もちゃっかりやってくれるので全体を通して上質なストーリーだと言えるのです。
音楽と雰囲気によりバリスタ気分に浸れる
懐古主義と言われようがやっぱりゲームでドット絵が使われると味が出ます。
コーヒートークは洗練されたドット絵に加えて、コーヒーのように深く落ち着いた音楽も魅力です。
なんというか全体的に上手くかみ合わさって古臭さが一種のファッションの様に洗練されています。
主人公はバリスタという設定なのでこの古臭いけどなんとも痺れる渋さに見事にマッチしています。
何にもコーヒーなんか知らなくても音楽と雰囲気が一気にバリスタであるように錯覚させてくれるのでゲームの世界に入り込めます。
トロコンが楽
ストーリーもただ読み進めていくだけで6時間程度で終わるし、2週目からはスキップ機能があるので一瞬で周回が可能です。
で、攻略サイトでも見て正しい選択をしていけば10時間もあれば誰でも簡単に気軽にトロコン出来ます。
難易度も低いので手軽にやり込んだような気分にさせてくれるのも若干嬉しいです。
気になったところ
隠れた名作でこの程度で良いんだよを体現しているコーヒートークのなかで、気になったところを紹介します。
ボリュームが不足している感が否めない
短時間で質の良いストーリーと言えば聞こえは良いですが、ボリュームが不足している感は否めません。
6時間もあればクリアできるのでちょっとした暇つぶしにはなりますが、ストーリーが良いほどもう少し掘り下げとか気になる続きを描いても良いのではと思ってしまいます。
美味しいものを腹八分どころか5分目とか6分目で終わってしまいちょっと残念みたいな気持ちが残ってしまいます。
表紙がパケ詐欺とも言える
別に気にならない部分ですが、一瞬えっ?と思うのは実際のゲーム画面の綺麗で引き込まれるドット絵とパッケージの見目麗しい女性との落差です。
ドット絵が綺麗なので全く問題ありませんが、じゃあゲームのパッケージもドット絵で紹介すれば良くね?って思います。
それか、キャラを描かずコーヒーだけとか描いておけばいいのに何故かキャラの一人を綺麗に描いているから一瞬勘違いをして戸惑います。
ゲーム性に影響がないけどパッケージ詐欺の類かと疑いはします。
コーヒーの作り方がひたすら不親切
客に正しいコーヒーを提供することでグッドエンディングにつながっていくのですが、これがとにかくわからない。
最初のうちはレシピがあるのですが、後半になると何がなんやらわからないので指定されても作り様が無いです。
コーヒーの知識を楽しく学べるゲームというわけでもないので、本気でクリアしようとしたら攻略サイトは必須です。
バリスタになってコーヒーを作るのにコーヒーの作り方が不親切だとただただ無能な主人公になって寂しい気持ちになります。
まとめ
コーヒートークはボリュームが少なくもう少しこの世界に浸っていたい、もうちょっと話の展開があってもいいでしょと感じる欠点とパケ詐欺以外特に無いです。
ストーリーがゆったりだけども確実に劇的にキャラの人間性を浮き出させて普遍的な問題についてじっくりと味わえます。
そんな魅力的なキャラたちをバリスタというイキった立場から助言、観察出来て、音楽により雰囲気も良いので言いようのない愉悦感さえあります。
隠れた名作ですので是非プレイしてみてください。