前半は言うまでもなく胸がトキメク
アニメや映画化もされているのでおそらく多くの人が知っていると思いますが、『君に届け』面白いですよね。自分も学生時代アニメからハマり漫画を当時11巻だったかな?全部揃えました。前半部分は間違いなく胸がトキメク名作です。
しかし、自分の周りでは中盤からマンネリでつまらないって声が結構あって、正直自分も同じことを思っていました。現に、22巻あたりで買うのやめましたもん。しかし、この間全巻揃えて感じたことは後半部分は前半部分とはまたテイストが違った名作に間違いないということです。なので、途中で辞めてしまったor読んでない人のために以下説明と自分な好きなシーンを語りたいと思います。
風早くんが爽やか過ぎ!!
主人公は、黒沼爽子といってあまりに暗い見た目(少女漫画なんで本当は可愛い)のため、周囲からは貞子と呼ばれ避けられて友達もいないような存在。一方、後に付き合うことになる男の子風早翔太は誰に対しても優しくクラスの人気者でとにかく爽やか。本当にもう爽やかなんです。創作とはいえ、なんでこいつこんな爽やかなの?しかも、憎めないし・・・って感じの本当の好青年。
前半は、爽子と風早の恋愛模様がテーマとして進んでいくんですが、意外と友情物語としても結構自分は好きなんです。後に友達になる、見た目ヤンキーの吉田千鶴と見た目ギャルの矢野あやねと最初風早を通じて仲良くなるんですが、風早と爽子が仲良くしているのが気に食わないよくありがちな女ライバル胡桃沢梅が千鶴とあやねのありもしない噂を爽子が流しているというデマを流布するわけです。そのせいで、3人ともギクシャクしたんですが、爽子が最後まで友達のことを信じて自己主張が苦手のはずなのに友達のために頑張る姿は恋愛部分以外での前半の見所の一つです。
恋愛部分は、もう語ることが野暮な感じなんで本当に読んでください。爽子と風早の純粋で真剣でたまに風早の男らしいキュンッ!!ってする行動が本当にたまらないんです。付き合うまでの本当にもどかしいけど一番楽しい部分がきっちり表現されています。正直、男でもしっかり楽しめる少女漫画だと断言できます。なぜなら、自分がガッツリ楽しんだから。
中盤はマンネリ・・・
中盤は本当にマンネリだと思います。好きな人もいると思うので申し訳ないのですが、絶対にマンネリです。恋愛ものって何が難しいかって付き合ったあとなんですよね。付き合うまでがメインみたいな所があるのでそれが終わると後はイチャイチャするだけじゃないですか。でも、そんなものちょっと見れば満足なんですよ。だからといって、付き合ってるのにあんまりにも遅いテンポでモジモジしてると何してんだ?ってなるので半端なく難しいと思います。そこは、君に届けも例外でなくマンネリしてました。
途中、千鶴と風早の友達真田龍との恋愛模様がありましたが、良い話だったんですけど前半部分があまりにも完成度が高すぎて、霞むし、そもそも爽子と風早の話が見たいんじゃって感じで正直この時点ではう~ん・・・って感じでした。
そんなわけで、中盤はマンネリなんですけど、全部後半への布石なんです。だから、読むの辞めてしまった人!!読みましょう!!
中盤の責任は健人だと主張する
中盤になると、マンネリ打開のため三浦健人という良い奴だけどチャラ男が出てくるんですが、全巻読んでから思うと好きな人がいるのはわかっているんですけど敢えて断然すると健人が惰性の原因だと感じます。
何故なら、後半から健人が出てこなくなってから面白いから。もっと言うと、ほかのキャラは人間味がある、癖があるキャラなんですけど、健人は本当に良い奴!!終わり!!って感じのキャラなんです。申し訳程度にチャラ男属性ありますけど、別にそんなのいらなくない?って思います。
また、最初は爽子って良いよねって感じでちょっとしたライバルキャラ?って感じだったのにいまいち不完全燃焼だったし、後にあやねと付き合うんですが、何か本当に良い奴だけどあやねと合わなくないって思いましたし、別れたんで本当に合わないんですよね。で、最後らへんは持て余してチャラチャラしてるってだけなんで、全体を通してみると何だこいつ?ってなります。
ただ、あやねと健人が付き合ったことが後半の担任荒井一市(通称ピン)とあやねの恋愛模様への布石だと考えれば本当に健人は良い奴だって思えます。本当に良い奴なだけなんですけどね。
後半はテイストが変わったが名作に違いない
後半になってくると、学年が進んで大学受験の話がメインになってきます。これだけ聞くと、絶対つまらないじゃん!!って思うかもしれませんが、自分の夢、将来と恋人との関係をどうしていくかって尋常じゃない切実な問題なんですよね。『月がきれい』の記事でも書いたんですが、自分の将来において恋人って欠かせない存在。でも、一時離れることを選択してでも自分の欲、夢を優先させなければならない。非常に難しい選択ですよね。一緒に同じ大学に行くのか、別々の道を歩むのか。そこの、デリケートで繊細な部分を各キャラの感情の機微を捉えながら上手くまとめ上げています!!
で、この後半にとっても欠かせない人物!!自分が一番好きなキャラ担任のピンが大活躍するんです!!まず、ピンってどんなキャラかというとハチャメチャで常にふざけていると言っても過言ではないキャラなんです。最初から中盤までこいつ出てくると笑えるな~ってくらいにしか思ってなかったんですが、もう後半獅子奮迅の活躍でカッコイイ!!
特に何がいいかというと、あやねとピンの関係につきます。あやねというキャラを少し説明すると大人びていて何でもわかったような顔をして無理はしないってキャラです。だから、何人かと付き合っても、心ここに在らずって感じ。だって、好きで付き合ったのではなく、自分の力量を考えて付き合ったから。そんな態度は、受験でも出ます。
あやねの三者面談の際、ピンは、「矢野はいろんな意味で、もうひとのび出来る子だと思ってます。」って言うんです。
カッコええ!!!!!!!!あやねの全てを見抜いたうえで、今一番必要なものは自分が限界だと思った部分を超えることが大事だと言っているんです。痺れましたね!!
また、「わかってるふりするな。わかってないふりもだ。安心しろ。ちゃんと子供だよ。まだ無茶な事出来るんだからよ。」って名言もありました。この二つで、これもうピンが後半主人公だな!!そうあってくれって思いました。
そのようなことがあり、あやねはピンに惹かれます。本当に恋をしたあやねはめちゃくちゃ可愛いです。見てない人可哀想だな!!
また、後半はピンが主人公だって思ってますが、他のキャラも例えば風早と爽子も人間として一皮剥けて成長していくさまが描かれています。その成長の際、支えてなっている恋人って感じでふたりの関係を描いたのでマンネリとか思いません。グイグイ話に引き込まれます。
なので、後半非常に面白くハッピーエンドなので絶対に見た方がいいです。
個人的好きなシーン
ありきたりな所でいえば、風早が爽子がほかの男と話をしているのを見て嫉妬して爽子の腕を掴んで走り出すところは、無難にうわ~、めちゃくちゃ良いじゃん!!自分もやってもらいたい!!って思いました。基本前半は、胸キュンのオンパレードですね。
好きなシーンとかではないんですが、一番好きな話があるんです。それが、11巻のエピソード44「あの日」って話です。
どういう話かっていうと、風早視点の話です。主人公は爽子なので、ずっと爽子の心情の変化を読者は読む形になるんですが、この話だけ風早視点なんです。爽子と出会ってから好きになるまでの心情の変化を駆け足で追っていくという話です。
何が好きかっていうと、ある一つの出来事に対して、人それぞれ考え方が違うじゃないですか。でも、出来事は一つじゃないですか。それに対して、相手はあの時どう考えたんだろう。どんな感じで心の変化があったんだろうって辛気臭く考えるのが自分大好きなんですよ。そのため、風早があの時、あの場面でどう感じてその心の変化がこの場面に繋がっていったのか~って勝手に思いをはせてしまったんで、この話だけ25回ぐらい読み返しましたね。
また、最終話で風早が爽子に手紙を書くんですが、これも風早の気持ちがありありと表現されていて読んでてまた思いをはせましたね。
なので、君に届けは非常に面白いので読んでない人と途中であきらめた人は、全巻読んでみてください。