遂に決着した上杉対芝原戦。
カッコイイおっさん達の激しいバトルから喧嘩稼業特有のリング上ではない陰部分をふんだんに盛り込んだ最高の展開になっています。
喧嘩稼業13巻についてネタバレありの感想を書きます。
上杉均がカッコ良すぎる
個人的に漫画のキャラで一番と言っても過言ではないくらい好きな上杉が芝原を下して2回戦に勝ち進みました。
前巻で喧嘩商売で見せた煉獄終わりからの追撃金剛をトレースする熱い展開で終わり興奮でどうにもならないところからの休載煉獄が終わりました。
ここから上杉の反撃かと思いきや、金剛に頼るしかない時点で既に上杉の体力は限界に達していました。
そこを見逃さず追撃をかける流石の達人。
意識が朦朧とする中
「てめえら黙って俺についてこい!」
と言い放ち看板の威信を賭け絶対に負けられない思いを胸に耐える上杉。
本当にカッコ良すぎます。
自分のためではなく常に誰かのために戦う姿に自然と胸が熱くなります。
ギリギリの状態で反撃に出た上杉は体力がない状態にも関わらず煉獄を繰り出します。
「煉獄とは魂で身体を動かす技」
そんな決死の覚悟で繰り出す煉獄に進道塾生全員は勝ったと確信します。
しかし、芝原は煉獄対策を2通り用意しており逆に煉獄で反撃します。
撃ち疲れるのを死に物狂いで耐える上杉。
バックステップで逃げる芝原に追撃をする上杉だが、金剛を囮にした目つぶしを防がれてしまう。
止めに最初に使った四方投げで勝負を決ようとする芝原。
誰もが上杉の負けを確信した瞬間に梶原を参考にした背面からの肘での金剛を決める!
トーナメントが始まる前は誰もがネタキャラ扱いで絶対に弱いと思われた、梶原が第4試合以外全てで絡んで勝敗を左右する面白さ。
負けても株が下がらないのが喧嘩稼業の面白さです。
倒れる芝原の後に続いて上杉も限界のためダブルノックダウンに!
その後、先に目を覚ました上杉は力を振り絞って芝原のセコンドに心室細動を起こしていることを伝えます。
最初は信じないセコンドですが、上杉必死の説得でタオルを投げて試合終了。
上杉の弱さは情だと芝原は分析しましたが、むしろ逆で上杉は優しいから強い!
今ままで散々卑怯な展開を見せられて、卑怯こそが最強のような風潮がありましたが、ここにきて上杉最大の魅力の優しさを前面に出す展開!
そして、敵にすら優しさをかける上杉の懐の深さに痺れます。
強くて優しい付いていきたくなる男上杉均の魅力が存分に詰まった一冊です。
師弟の絆に興奮する
この巻で今まで行方不明だった山本陸がついに登場します。
アンダーグラウンドでルーキーとして圧倒的な存在感を放っています。
13巻は上杉均の優しさと男らしさにも痺れますが、師弟の絆の深さにも感動します。
上杉が芝原にマウントを取られ誰もが上杉の敗北を予感する中、たった二人だけ上杉の勝利を確信する人物。
一人は一番弟子のセコンド橋口、もう一人は唯一の師匠山本陸。
誰もが諦める中自分たちの味方を信じぬく男の熱い気持ちが体中の血をマグマのように沸騰させるように興奮させてきます。
今までは信じない、騙す巧妙さを主軸にしていましたが、本当に今巻は青臭いと思われても信じたくなるような優しさや思いの強さを主軸にしています。
男なら真っ向勝負の混じり気のないカッコよさと仲間との思いの強さに感動できます。
合気道の強さを最高に引き出した上手い展開
喧嘩稼業の凄い所って負けた側も株が上がるところです。
合気道ってどうにも胡散臭い感じで描かれがちで、下手な漫画だとほとんど超能力みたいな力を使います。
合気道をいかに論理的に説得力を持たせて強い格闘技であるかを証明できている喧嘩稼業は天才の一言です。
合気道をトンデモ技術にするわけではなく、付帯技術である打撃を補完するために有効活用する対実践を重視した技術として扱っています。
普通に考えれば死にかけの老人が空手家の打撃を喰らっている時点であの世に召されるはずです。
しかし、合気道特有の呼吸の間合いで相手を封じて打撃に転じる技術力と説得力の高さで合気道って強い格闘技であることを表現できています。
負けてもなお合気道ってめちゃくちゃ強いじゃん!?って気持ちが強まります。
田島襲撃作戦の伏線がどんどん展開されていく
最強にカッコイイおっさんとお爺さんのバトルから一転、ついに田島襲撃作戦が展開されていきます。
随分前から伏線として張っておいた田島襲撃作戦がついに決行されていきます。
暗躍するのはもちろん悪魔の落とし子十兵衛。
限界を超えた上杉を魔人薬で無理矢理復活させて田島襲撃作戦に参加させます。
また、喧嘩王が戦う、しかも今度は本当の喧嘩です!
興奮が止まりません。
さらに、十兵衛に説得されて保険をかけていた里見まで襲撃に加わり田島襲撃に向けて一気に話が展開されていきます。
ただ、田島も偶然にもヨシフをライガ送りにしたBBBをボディーガードにつけます。
田島&BBBVS上杉&橋口、里見&空の場外バトルが始まります。
今回は今まで張り巡らせていた伏線と同時に喧嘩も展開されるので最高すぎるだろって展開が予想されるところで終わります。
本誌が全く進んでいないので14巻はまだ先になりそうですが、1巻1巻の完成度が非常に高く読む手が止まりません。