国語の教科書に載せるべきレベルの名著
将棋の羽生善治といえば知らない人がほとんどいないであろう将棋界の大スター。そんな羽生さんが2005年と随分前に出した『決断力』という本がある。これが、勝負の世界に生きている人はもちろんのこと自分のような普通の社会人であっても、むしろ普通の人間だからこそ学ぶべきことがある名著であると自分は強く思う。正直、国語の教科書に載せて羽生さんの考え方を勉強するほうがよくわからない作者の気持ちを考えているよりよっぽどこれから先の人生で役立つこと間違いなしだと思う。
一冊通して将棋好きなら1ページも余すことなく、将棋を知らない人でも細かい将棋の話はさておき大部分が非常に勉強になり感嘆を受けることが出来る本だと自信をもって薦められる。正直全ページ素晴らしいのでどこを取り上げてもいいのだが、その中でも、特にその通りだ!!と感じる部分を書いていきたいと思う。
知識は「知恵」に変えてこそ自分の力になる
これはもう本当にその通りですねってため息が出るほどよくわかりますよね。何かを覚えるのが大事なのではなく、理解しマスターし、自分のものとすることが大事なんですね。社会人なら共感してもらえると思いますが、経験年数を重ねて知識はあるがほかの応用は全く出来ませんって人いますよね。そういう人って、知識を知識としてしか活用できていないから新しい発想だったり、こうしてみようかなって考えが出てこないんだと思います。知識を知恵に変えていかに現状の常識に挑戦して改善できるか常に考えることが仕事だけでなく何事にも必要な要素だと思います。
経験は、時としてネガティブな選択のもとにもなる
最初この文章を見たときビックリしました。だって、どの自己啓発本にも年長者も必ず経験することが絶対大事の一点張りじゃないですか。自分は、確かに経験は大事だけど失敗した場合また挑戦したいと思わないでしょ。たまたま運が良かっただけor辛かった経験を忘れているだけの成功者ゆえの発言だと思って経験というものを軽視している人生を送っていました。
しかし、羽生さんは経験は「いい結果」、「悪い結果」があると認識しており、経験を積むことによってマイナス面が膨らんで自分の思考を縛ることになると言うんです。対策としては、マイナスに打ち勝てる理性、自分自身をコントロールする力を同時に成長させることにより経験を活かしきることが出来ると言っています。
これ、たとえ話をすると基本モテない自分みたいな人は女性にアプローチをしてみても上手くいかないことがほとんどだと思うんです。そこで、女性にぞんざいに扱われて怖いから嫌だ!!って逃げるのがマイナスの思考に縛られている状態だと思うんです。そこで、理性によってこう考えてみるんです。前は喋り過ぎて失敗したから余裕をもって接してみたらどうかとか、好きな子の好きな話題を知っておけば喋り過ぎても大丈夫なんじゃないのかとか考えて試行錯誤やっていき自分の中でプラスの要素をなるべく見出していくことが大事だと思うんです。失敗した→もう終わりだ・・・じゃなくて、確かに失敗なんだけどどういうところが問題だったのか見つめて、足りない部分がわかってよかったわぐらいの気持ちで何事も臨むことが大事なんですね。
仲間同士の「格付け」は必勝の秘訣
まさにその通り。仕事をしていてAという人がミスをしてもこれは何かあるのかもしれないから確認しようとなるのに対してBという人がミスをするとどうせまた適当に仕事しているからミスしたんだな。こっちで直しとけばいいやってなりますよね。この信用の差が仮に同じ案を提案したとしてもスムーズにいくかどうかの差になるんです。だから、常日頃から実力を磨き仲間に誇示することは非常に大事ですし、何かやるにしても後押しがあると気持ちの面でも差が出てくると思うんです。
集中力だけをとりだして養うことはできない
誰でも、一度は集中しなさい!!って親や教師に怒られましたよね。でも、そんな都合よく集中なんてできない。当り前です。羽生さんは、基本的には好きなことをやるべきだと言っています。好きなことをやる中で自分はどういう環境、状況で集中できるか知って集中のノウハウを会得するのが大事だと言っています。
集中って言っても序盤からコツコツできる人もいれば、終盤に一気にってタイプもいます。どちらも悪くないんです。自分がいかにベストな状況を作れるか考えることが大事でそれが想像力とか独創力に繋がっていくと思います。
教えられる側の依存度が高くなると問題だ
これも感動しましたね。昨今、なんでも教えてもらわなければわからない。って騒ぐ人がいるじゃないですか。確かに、仕事の基礎的な部分は当然教えなければならないしそれは先輩の仕事だと強く思います。しかし、教えられてないことやったことがないことに関して明らかに受け身でやる気がない姿勢の人が多い気がします。これの何が問題かというとまず自分の頭で考えていこうとしない人間から独創性とか新しい発想って出てこないと思うんです。で、そういう人間って絶対会社でも実りのある提案ができないと思います。最悪なのは、じっとしていて聞きに行かなくても甘やかして教えてくれる人間に依存する人。そんな人は、例えば甘やかしてくれる人が間違った提案なんかをしても迎合するしかないのでますます組織が悪くなっていきますよね。羽生さんも、本人がどういう姿勢で教わるかが大事だと言っています。ぐうの音も出ませんね。
とにかく買って読んだ方がいい
本当に全部の言葉を紹介したいんですが、とても紹介しきれないほど素晴らしい本なんです。古本屋でざっと読んでもいいんですが、困ったときや迷った時の指針としてモヤモヤしたときは常に自分は読み返して試行錯誤しながら生きているので、皆さんもぜひ買って手元に置いていた方がいい一冊だと自信をもって薦めます!!
[…] 羽生善治『決断力』から学ぶこと 国語の教科書に載せるべきレベルの名著 将棋の羽生善治といえば知らない人がほとんどいないであろう将棋界の大スター。そんな羽生さん…自由に趣味道 […]