基本無料で読める漫画アプリ、マンガワン。
その前身とも言えるウェブ漫画全盛期の象徴ともいえる、ネット漫画界を引っ張て来た漫画サイトが裏サンデーです。
そんな裏サンデーを創立期から現在まで読みつくしてきた自分が長い歴史の中で特にお勧めしたい面白い漫画11選を紹介します。
モブサイコ100
ウェブ漫画を一つ上に押し上げたワンパンマンの原作者が裏サンデーで連載していた名作漫画。
それがモブサイコ100です。
当時はアニメも漫画もちょっとした暗黒時代で重厚なストーリーより上っ面なストーリーでも絵が可愛ければいいじゃん!という風潮がありました。
そんな時に絵がとてもプロレベルではない素人でもストーリーが面白ければ漫画として成り立つし面白いとウェブ漫画が話題になり、ワンパンマンなどが持て囃されました。
そんなワンパンマンの作者が自分で絵柄で連載した話題作がこのモブサイコ100です。
主人公は無口で非力な少年ですが、普通と違いところは超能力であること。
怒りのボルテージが100にまで溜まると非凡な超能力が猛威を振るうバトル展開は相変わらず見事です。
ただ、主人公自身どれだけ馬鹿にされても超能力に頼らずひたむきに努力し困難を乗り越えようとしていく見せ方が上手いです。
思春期の葛藤を上手く描きつつ、力を使って偉そうにもしない、ありきたりなイキったラノベとは一線を画します。
また、ワンパンマンと同じ独自の世界観が生み出すギャグは唯一無二で笑えるのも高評価な部分です。
是非読んでみて下さい。
懲役339年
輪廻転生を題材に人の心に踏み込んだ名作漫画。
それが懲役339年です。
過去に大罪を犯し懲役339年の懲役を残して死んでしまった犯罪者。
普通ならそこで終わりですが、輪廻転生の価値観が強いこの世界では新たに犯罪者が生まれてくると考えます。
そのため、生まれた瞬間から大罪人とされ懲役に服すことなっていく模様を各主人公を通して描いていきます。
生まれながら与えられた運命を受け入れながら生きようとする者、運命に抗い自分の人生を歩む者。
はたまた、輪廻転生なんかという根拠のない世界に対して革命を起こしていこうとする者。
各パートを通して運命に翻弄されていく悲哀と決めつけることで残忍になれる合理性のない人間の闇を上手く描いています。
是非読んでみてください。
ケンガンアシュラ
全盛期刃牙の正当な後継者だと思われていた漫画。
それがケンガンアシュラです。
刃牙の魅力は独特な台詞回しと、一瞬信じてしまうような科学をこねくり回したような屁理屈な理論。
そして、それにも増して魅力的なキャラたちが織りなす勢いだけだけど読んだものを魅了する試合。
めちゃくちゃなギャグ寄りになってしまった刃牙を尻目に後継者としてやっていけるのかと期待させてくれた漫画がケンガンアシュラです。
結果として刃牙と同じ、というより刃牙よりギャグなしのウンチク科学イケメンキャラばかりの漫画になってしまいます。
しかし、途中までは全盛期刃牙を彷彿とさせる圧倒的な熱量と己の才能と強さを信じて疑わない個性的な男たちの試合が魅力的です。
全方位に良い恰好をしようとしてちょっと迷走しましたが、初期の熱量は読んで損はなくいつの間にはのめり込んでしまうこと間違いなしです。
是非読んでみてください。
サツリクルート
悪魔と契約して就活を成功させれば復讐を果たせる完全な色物漫画のくせに意外にも面白い漫画。
それがサツリクルートです。
どの漫画雑誌でもありがちな流行りものを取り入れようとしてすぐに潰える典型的なタイプで当時流行のデスゲームを主軸に置いています。
また、自分も学生でよく覚えていますがまだリーマンショックの影響があり、就活が難しく圧迫や失礼な対応をする企業が多く問題になっていました。
そんな流行+社会問題を組み合わせた一瞬で消えような漫画でした。
実際に読んでみると意外や意外、適当なデスゲームよりしっかりとしており、悪魔の能力を駆使した頭脳戦が繰り広げられるのです。
就活という噓のつきあいを逆手に取った頭脳戦が展開され、それをサポートする発言を無かったことにする悪魔の能力。
悪魔の能力を知られずに自分の人生を奈落に落とした企業に悪魔の力を使って内定を勝ち取り復讐していく結構熱い物語です。
相手側も悪魔を駆使するので能力頭脳バトルを楽しめます。
しっかりと最後まで描かれることなく終わってしまったのだけが残念です。
是非読んでみてください。
ゼクレアトル~神マンガ戦記~
ウェブ漫画の名作『オーシャンまなぶ』の作者が原作者となった裏サンデー創設期を支えた漫画。
それがゼクレアトル~神マンガ戦記~です。
いわゆる、王道ではなく邪道なメタ的な視点からストーリーが構築されていきます。
主人公が、自分が漫画の主人公であると自覚する一風変わった視点から物語が始まり、漫画のメタ視点を交えながら王道のバトル展開に持っていきます。
漫画の世界であるがゆえに、打ち切りになれば自分の住んでいる世界が破壊される理不尽にさらされています。
その理不尽に抗うために漫画世界のバトル能力を駆使して、現実世界に干渉できるよう試行錯誤していく中に様々な伏線が散りばめられていくのです。
邪道のようで王道、そして伏線回収のありの練られたストーリーが楽しめます。
是非読んでみてください。
ゼクレアトル〜神マンガ戦記〜(1)【電子書籍】[ 戸塚たくす ]
ヒト喰イ
これまたウェブ漫画で有名だった作品をタイトルそのままで連載した漫画。
それがヒト喰イです。
原因不明の同時多発心肺停止事件が相次ぎ、その原因はヒト喰いと呼ばれる怪物が仮想世界に引き込み、その世界でヒト喰いに喰われると現実世界でも終わってしまう。
巣と呼ばれる仮想世界から出られる方法は3つだけ。
ヒト喰いに殺されるか、ヒト喰いが満腹で飽きるか、ヒト喰いを倒すか。
ヒト喰いの巣からいかに脱出するかというギリギリの駆け引きもスリリングで面白く、連携や裏切り、ヒト喰いを嵌めるなど様々な展開を楽しめます。
また、そもそも何故ヒト喰いという怪物がいるのか、巣とはなんなのかといった伏線回収もしっかりとしておりストーリーも楽しめます。
とりあえず行き当たりばったりのデスゲームではなく、しっかりとよく考えられた漫画で続きが気になって読み進めてしまいます。
是非読んでみてください。
辱(にく)
短編でウェブでしかできない衝撃的で凄惨な展開に息を吞む漫画。
それが辱(にく)です。
地図にない村に迷い込んでしまった主人公たち。
迷い込んだ先の村では、全員若い女性しかいない男にとって夢のような国。
そのうえ、至れり尽くせりの贅を尽くしてくれるのでまさに天国のような場所。
しかし、急にいなくなった友達のことを不審がった主人公が村を散策していると衝撃の村の真実を見てしまいます。
展開自体が他誌では出来ないような残忍で残虐な描写とラストはまさにトラウマになるようなえげつない終わり方をするので最高です。
是非読んでみてください。
テラモリ
当時も流行っていたし、今でも流行っているオタク系女子が仕事出来る系社会人に好かれるタイプの少女漫画。
それがテラモリです。
普通だったら気持ち悪いで終わって読まないのですが、ただのオタク系で甘えていて急にモテるわけではなくしっかりと主人公も成長していく少女漫画です。
この漫画も就活が過酷な時代の漫画なのでしきりに社会は甘くない、スキルがどうのこうの胃が痛くなるような現実問題を突きつけてきます。
単なるゲームオタクの主人公が、スーツ売り場の接客業という大変な仕事を通じて仕事のやりがい、困難に乗り越えて上司と良い感じなっていきます。
何も努力していないのに急に好かれるとか、自分の真の魅力とかの意味不明なご都合展開はなくひたむきな努力の結果報われていきます。
王道ではありますが、ひたむきな主人公と上司の恋愛に王道だからこそ引き込まれていくこと間違いなしです。
また、スーツについての知識も身につくのでウンチクとして結構面白いです。
是非読んでみてください。
灼熱カバディ
カバディというマイナーな競技を題材にしつつ、しっかりと熱い、熱すぎる描写をねじ込んだ漫画。
それが灼熱カバディです。
攻撃中はカバディ、カバディと呟くルールだけ見ると頭がおかしい競技で日本では触れる機会すらないものを熱血スポーツものとして上手く表現しています。
ほぼ男しか出てこなく、腐女子要素も強いように思われますが、内容がなよなよしたものでなく己の全てを賭して全力で取り組むので男が読んでも十分に面白いです。
主人公は元天才サッカープレイヤーであり、才能があるがより上を目指すもがき苦しみ成長していく様が見れます。
ただ、今作の魅力はどちらかというと天才達を相手にするその他大勢の凡人がいかに努力によってたった1場面でも天才に打ち勝つかという描写が良いです。
凡人ゆえの葛藤と努力、工夫により天才にちょっとでも食い下がる諦めない姿勢に血がたぎります。
是非読んでみてください。
灼熱カバディ 1 (裏少年サンデーコミックス) [ 武蔵野 創 ]
血と灰の女王
熱くナチュラルに狂った登場人物たちがしのぎを削る能力バトル漫画。
それが血と灰の女王です。
作者がTwitterでコミックの売り上げが芳しくないと打ち切りになると宣伝したことにより、売り上げが上がり話題になった作品でもあります。
富士山が噴火したことにより灰が降り、その灰を浴びた一部の人間だけがヴァンパイアと呼ばれる化け物になる能力を得られます。
主人公は過剰な正義感を持つ変人で、死の淵に際して力に目覚め、恩あるヴァンパイア王候補である女性と共に野望と理想の世界のために戦っていきます。
主人公も全てを犠牲にした過剰な正義感があるし、登場人物も人を人とも思わない頭がおかしい連中しかいません。
そんな連中が己の欲望と誰にも理解されない歪んだ理想の元にぶつかり合っていく展開が面白いです。
能力バトルの面白さは普通ですが、歪んだ思想同士の譲れないぶつかり合いが魅力です。
是非読んでみてください。
青のオーケストラ
ベタベタな青春恋愛音楽漫画。
それが青のオーケストラです。
ぶっちゃけ『のだめカンタービレ』の方が面白いですが、高校生の切なくも拙い感情を上手く表現しておりなにより絵が上手いので演奏シーンが映えます。
いじめ問題とか何がしたいのかわからない描写が多々ありますが、そこに目をつぶれば主人公と周りの成長。
そこから生まれる演奏シーンに引き込まれていきます。
最初のうちは、無駄なシーンが多いですが、中盤以降はしっかりと音楽に力を入れるようになっていき悲喜こもごものストーリーが楽しめます。
是非読んでみてください。
青のオーケストラ(1) (裏少年サンデーコミックス) [ 阿久井 真 ]
寿エンパイア
とんでも寿司漫画。
それが寿エンパイアです。
シャリを回転させて寿司を握ったり、寿司を握りために崖のぼりで手首を鍛えるなど完全に意味不明な笑える要素がある漫画です。
まともに読むのではなく、ふざけている姿を楽しむ漫画です。
展開もテンプレもテンプレな嫌な先輩たちを倒していくだけの本当にお粗末な展開です。
普通だったらクソ漫画なのですが、この漫画屈指の人気キャラである児島さんという寿司眼鏡の存在だけ読む価値が出てきます。
主人公を貶したと思った瞬間、誰よりも丁寧に寿司の握り方を実践して教えてくれる行動に笑いが止まりません。
その他随所で憎まれ口を利きながらも、誰よりも主人公を評価して助ける行動がこの漫画最大の魅力です。
主人公達に一切の魅力は無いですが、児島さんだけでおつりがくる漫画です。