復讐なんてしても得られるものがなく常に日陰を生きていかなくてはならない苦行です。
しかし、そんな苦行や地獄を味わってでも絶対に相手を許さず徹底的に追い詰めて己の欲望を満たす復讐漫画はカタルシスがあって面白いです。
復讐漫画は、ダークな展開で引き込まれていく所も良いです。
そんな復讐をテーマにしたおすすめ漫画を紹介します。
ベルセルク
決して癒されることのない復讐を胸に生きるダークファンタジーの傑作漫画。
それがベルセルクです。
おどろおどろしい容赦のない退廃した世界観と残虐なストーリー展開が見所です。
化け物が跋扈する世界で主人公はひたすら大剣を振るい復讐すべき相手を殺すまで決して消えない憎しみで全てを犠牲にしながら突き進んでいきます。
復讐をする爽快感より、復讐する相手の圧倒的な力を前にして感じるどうしようもない絶望感と復讐に至るまでのストーリーがえげつなくて最高です。
感情移入が出来ないような復讐劇だと単なる茶番劇のように思えますが、ベルセルクの復讐に至るまでの出来事は吐き気がするほど凄惨なので復讐以外の道がないと思えます。
残虐で絶望的な凄惨な体験からくる消えることが無い憎しみにより動かされる主人公が命を削って戦っていく姿に燃えます。
また、少しずつでも近づいていく微かな希望にも心が震えます。
ミスミソウ
可愛らしい見た目からは想像できない徹底的な復讐を見せる漫画。
それがミスミソウです。
最初は単なる学生でありがちなイジメを主人公が受けており、すぐにそのイジメの内容がエスカレートしていきます。
イジメのないようだけでも結構えぐい展開なので、この時点で結構心が折れます。
この漫画の凄い所はただイジメられて凄惨でかわいそうな話で終わらず主人公も憎しみで徹底的に相手に対して復讐を行うのです。
この復讐が本当に生易しいものでは決してなく、本気でやり返す凄惨さにこれぞ本当の復讐と背筋が凍ります。
後味が悪いのも評価ポイントです。
ミスミソウ完全版(上) (アクションコミックス) [ 押切蓮介 ]
魔太郎がくる!!
「こ・の・う・ら・み・は・ら・さ・で・お・く・べ・き・か」の名台詞と共に復讐を行う漫画。
それが魔太郎がくる!!です。
セリフだけは誰もが知る漫画ですが、実際に読んでみると毎話完結でよくもまあここまで考えるものだと感心してしまいます。
主人公はイジメられているのですが、ちょっとのイジメでは基本的に動じません。
しかし、一線を越えたイジメを受けた場合は「こ・の・う・ら・み・は・ら・さ・で・お・く・べ・き・か」のセリフと共に復讐が始まります。
主人公は特殊な能力を持っており、それを使い自分が受けたイジメと同じようなやり方で相手を一方的に蹂躙していきます。
毎話完結で復讐を実行していくのでスカッとすると同時に人間の闇まで上手く表現しており気味の悪い読了感を味わえます。
累
主人公が復讐される立場になる稀有な漫画。
それが累です。
醜い顔を持つが卓越した演技力がある女性が主人公です。
この主人公はある特殊な口紅で相手に口づけをすると一定時間顔が入れ替わります。
顔を奪い、昔イジメていた相手を傷つけたりする単純な復讐ももちろんあります。
ただ、見所は美しい顔で他人と接することで感じるどうしようもない劣等感と演技が評価される優越感で狂っていく主人公です。
世の中を憎んでいるので何をしてもいいかの如く他人を傷つけ復讐していきます。
ただ、後半になると逆に主人公が復讐されていく立場に変わっていく面白さがあります。
因果応報のようなどうにもならない後味が悪いところが復讐をテーマにした良さが前面に出ています。
ファイアパンチ
一方的に理不尽に最愛の妹が奪われた憎しみを晴らすべく、自分自身が炎に包まれたまま戦う漫画。
それがファイアパンチです。
祝福と呼ばれる特殊能力がある世界で主人公は再生能力の持ち主です。
貧しくても平和に暮らしていた日々に突然終わりを告げます。
炎の能力を使う祝福持ちに村全体が焼かれ最愛の妹を失うと同時に自身も地獄のような痛みに死にきれず苦しみます。
何年も苦しんだ末に主人公は消えない炎を一部に宿したまま活動する術を身につけ復讐を決意して歩みを進めます。
正直に言って1話がピークの漫画で話を追うごとにつまらないですが、1話の面白さと設定と復讐を決意していくシーンは名作です。
センスだけの漫画ですが、1話だけは復讐をテーマにした漫画として優秀です。
ファイアパンチ(1) (ジャンプコミックス PLUS) [ 藤本タツキ ]
ウロボロス
ダブル主人公で隠蔽された事件を追い相手に相応の報いを受けさせようと奮闘するサスペンス復讐漫画。
それがウロボロスです。
小学生の時に大事な人を殺された主人公たちは、犯人が金時計をしている姿を目撃します。
しかし、証言は取り合ってもらえず操作は打ち切られたことで迷宮入り。
捕まらない犯人を自分たちで捕まえようと一人は警察に入り腐った組織と戦い、一人はヤクザになりアングラ視点から真相に迫っていきます。
やり返すこと地獄を見せるような作品ではないですが、執念深く相手を追い詰めていくサスペンス劇が面白いです。
また、金時計組と呼ばれる警察キャリアのエリートが犯人であることが確定しているので様々な圧力により入り組んだ展開になっていきます。
そんな状況下でお互いに初心を忘れず犯人を絶対に見つけてやるという復讐心を胸に行動し明らかになっていく真実に驚愕できます。