ストーリーとしての競争戦略 感想 仕事でも人生でも役立つ戦略

成功するには何が必要が試行錯誤しますよね。

努力、資格、才能、色々考えますが戦略ほど大事なものは無いです。

ただ、戦略は常に戦略モドキになっていることが多いです。

本当の戦略とは筋が通っている面白いストーリーだと筆者は述べています。

仕事でも人生でも役立つ戦略の神髄がわかります。

戦略とは面白い筋が通ったストーリーのこと

戦略と言うと相手がどうだとか環境がどうだとかV字回復とかアクションプランとか仰々しいものが並ぶことが多いです。

または、専門用語の見本市のようなルー大柴用語のオンパレード。

しかし、そんなものはストーリーではないと筆者は言っています。

戦略とは仰々しいものではなく誰もが聞いて納得する論理性と誰もが面白いと感じる筋の通ったストーリーだと言います。

これって確かにそうですよね。

仕事でよく見られるのが一つ一つの単元は正しいのに繋げると意味不明になってしまうダラダラ会議。

例えばお客様のために尽くす還元するなんて言っておきながら一律値上げなんてしようものなら完全に意味不明ですよね。

お客に尽くすのも値上げも単元ごとなら理由があって悪いことは無いはずですが繋げるといきなり矛盾する。

このような矛盾が起こる原因は論理性が不足していることだと言うのです。

そして、戦略で大事なのはふんだんに専門用語や分析ツールを使いまくるのではなく論理的に筋を通すことなのです。

戦略って誰もが口にしますが実際に考えると筋を通してストーリーになっている戦略って無いですよね。

場当たり的な局所最適にばかり目がいくだけであっちに行ったりこっちに行ったりしていて何やってるんだかわからない。

そんな状況から抜け出すには最高にためになる本です。

上手くいかない戦略は真似するだけでゴールが無い

戦略が上手くいかない原因は基本的にゴールが無いことだと筆者は述べています。

誰もが最終的な利益を出すというゴールらしきものは設定しますが、そこに至るまでどんな道筋があって出口があるか設定しないからおかしくなるのです。

道筋とゴールが無ければひたすら「売上伸びないかな・・・」で終わるに決まっています。

また、よくある戦略の失敗としてベストプラクティス論を挙げています。

ベストプラクティス論とは他社ではこんなことをして問題を解決した今の流行はこんな経営手法だという考え方です。

これは誰でも必ず引っかかる戦略モドキの罠です。

普通に考えてこうすれば上手くいくなんて手法をそのまま真似ても上手くいくはずがないです。

個々の会社、個人によって状況は変わります。

大事なのは本質を盗んで応用することです。

よくブログ論でもありますが、こうすれば上手くいく、全て解決だなんて方法なんて決してないないのです。

そして、何事も大事なのは差別化なんて言っているのに自分のやり方を真似れば良いとか矛盾していますよね。

戦略が失敗するのは教科書通りにやれば解決とかどこまでやれたら終わりなのかのゴールを明確にしないからです。

会社どころか自分の人生を思い返しても戦略とは呼べない戦略で失敗するのはいつも真似するだけで本質と個性を考慮に入れないことではないでしょうか。

戦略とは具体的に何か

戦略とは具体的にどういったものか。

戦略を立てるために必要な考え方の具体策は以下の通りです。

目的:利益を出すこと

どんな手順を辿ろうと利益が出なければ戦略ではありません。目的は利益を出す。これだけはぶれてはいけません。

本質:違いを作って差別化

戦略とは先読みでもなんでもありません。常に相手との差別化を図って自分なりの良さを押し出して優位性を生み出す。これしかないです。

戦略の差別化の方向性

SP戦略・・・料理店で言うならオリジナルな看板メニューの商品の質で差別化

よくあるのが新商品を作ってそれで売り上げ増加による逆転勝ちです。

OC戦略・・・料理店で言うならシェフの質が良いなどの組織体系で差別化する

商品が凡庸でも従業員のサービスが良いなど目に見えない部分による差別化も立派な戦略であり、真似もされにくく時間をかけて構築する長期戦略です。

競争優位性

戦略で相手に対して優位になるには結局3パターンに分かれます。

WTP・・・売り上げ増加

利益を出すという名目で必ず誰もが思いつく相手との優位性。それが売り上げ増加です。

とりあえず売り上げ増加していけば利益が出るというのも戦略の一つです。

何をどれくらい売ってどれだけの利益を出すか考えます。

コスト削減・・・リストラとかネガティブなイメージしかありませんが、商売の効率を良くして小さくても高収益に体質にする。

在庫を素早く捌く、意識的なダウンサイジングなど派手ではないが理性によってコントロールしてく術です。

ニッチ分野・・・売上は少ないかもしれないが経費も少ない。そもそもやる人間すら少ない分野で独自の王国を築いて生きる。

例えばフェラーリは利益をしっかりと出している事業ですが、大量に作れば希少性が薄れるし他社がまねします。

あえて少ない生産量で高級志向で的を絞ることで他社は割に合わないから入ってこない分野で頑張るという戦略です。

事業に目的を持つ・・・コンセプトの設定

誰もがやりたくなるのが、売り上げ増加してコスト削減してニッチで敵がいない分野で勝負したいって夢を見ることです。

そんなものはありません。

戦略で大事なのはやらないことを決めることです。

2色のドア
何か物事をする時にはやるべきことを決めることが大事だと言われています。 しかし、やるべきことを決める以上にやらないことを明確に決めることが...

やらないことを決めることで点と点が線に繋がります。

そして、やらないことを決めるとコンセプトが生まれます。

どういった方向性でどんなことをやるのか、そして最終的に売り上げ増加なのかコスト削減なのかニッチ分野なのか決める。

コンセプトの設定をしてそれに合った出口を決めてそれ以外の欲を捨てることが戦略なの

正しい戦略の作り方と鉄則

戦略と言っても形だけになってしまうものが多い中、本当に未来に繋がる戦略の作り方と鉄則について3点あげています。

まず、1つ目がコンセプトを決めることです。

まず、何をしたいのか、どうする会社なのか、それによってどんな社会を作りたいのかこの部分が欠けないようにしないといけません。

これがないと何でもやるとかいう正しいようでフワフワした意味不明なものになってしまいます。

2つ目がゴールを決めることです。

売り上げ増加なのかコスト削減なのか、ニッチ分野で頑張るのか、それは何を実現することで達成するのか想像することが大事です。

このコンセプトとゴールをしっかりと決めることが戦略の大前提です。

3つめは中身を繋げることです。

ここまで決めてから細部を詰めていく。

ありがちな失敗が細部ばかりつめて局所最適なんだけど、最終的にわけわかんない感じなっていることが多いですよね。

コンセプト、ゴールからぶれないように中身を作ります。

一つ一つの打ち手がバラバラでも意味不明です。

それぞれがお互いに太く繋がるように構築していくことが大事です。

最終的に見たらコンセプトからゴールまで全て繋がっていくストーリーになっていけたら戦略として成立しているということなのです。

まとめ

戦略という言葉は仕事でよく聞きますが、ほとんどの人が戦略を使いこなせていません。

そして、戦略を上手く使いこなせれば仕事だけでなく人生を考えるうえでも役立ちます。

人生は情報が溢れかえっているのでコンセプトやゴールを決めて行動しないとあっちに行ったりこっちに行ったりと振り回されて幸せになれません。

自分はこう生きる、そのためにどんなことが必要で何をしたらいいのかを考えるには戦略の考え方が欠かせません。

分厚いけれども面白くサクサク読めて人生を生きるうえで最高に役立つので是非読んでみてください。

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