2020年米作りのこだわりの強さで農林水産省が攻略ページとして活用されるなど話題になった天穂のサクナヒメをトロコンしたうえでの感想です。
米作りのこだわりという色物ゲームだけでなくストーリー自体も主人公の熱くて泣ける成長物語として一級品の絶賛されるのも納得のゲームです。
トロコンは30時間程度できるのでトロコンしやすいゲームでもあります。
総合評価:97点
シナリオ:98点
グラフィック:96点
音楽:97点
ゲームシステム:97点
天穂のサクナヒメの良い所
間違いなく良ゲーの部類に入るサクナヒメには素晴らしい部分が沢山あります。
サクナヒメの魅力について説明します。
ロードがほとんど無くストレスフリー
ゲームにおいて地味にストレスなのがロードです。
このロードがあるとゲームへの集中力が削がれるし意味も無くコントローラーを持っている時間が果てしなく無駄です。
しかし、サクナヒメはこのロード時間が皆無と言っても良いです。
特にゲーム起動時には会社名も何も表示させずいきなりタイトル画面になってロードすれば即ゲームプレイが可能です。
これほどスムーズなゲームはかなり珍しいです。
さらにオートセーブ対応にも関わらず長々としている印象も無く没入感を持ってプレイしつつデータを保存できる最高の仕様です。
アクションゲームとしても普通に面白い
米作りばかり注目されていたサクナヒメですが、アクションゲームとして普通に面白いのが飽きずにプレイできる点として評価できます。
羽衣を使って敵を引き寄せたり、弱体化させる、または壁に張り付いて移動したりと意外にもスタイリッシュな行動が出来ます。
また、敵を吹っ飛ばしてからの軽快なコンボが出来るので飛ばして戻ってきた敵をさらにタコ殴りにする快感があります。
敵の攻撃のタイミングに合わせてガードすると弾きと言って敵に隙を作らせる要素もあったりとごり押しでも出来るけどテクニックで魅せるプレイが出来るのも良いです。
装備も工夫して成長させていくことでちょっとした無双ゲームとなっていくこと。
やり込み要素も意外にもあるので本当にクリア、トロコンした後も出来るので文句のつけようがないです。
可愛らしく味のあるグラフィック
主人公サクナヒメの見た目が小さい可愛らしいのも素晴らしいですが、ノスタルジックな雰囲気として味のあるグラフィックが米作りの爽快感を増してくれます。
油絵というか劇画調のグラフィックで紡がれていく和風の雰囲気が米作りとマッチしています。
さらに、米作りをしている畑も四季折々の姿を見せてくれて愛着が湧くようになっていることに加えて夕方になると完全にノスタルジックな雰囲気になります。
小さい頃感じた懐かしい田んぼの雰囲気と今日も1日終わってしまう泣きたくなるような焦燥感に思わずジ~ンとしてしまいます。
止め時のわからない米作りシステム
米作りシステムが話題になるだけあって作り込みが半端ないです。
米の作り方によってステータスも変わってくるのでプレイヤーも真剣にならざるを得ません。
米作りでもやればやるほどスキルが付いてくるのでどんどん簡単になっていく、簡単になる農具の作成が出来るようになっていきます。
米作りをして飽きてきたら新しいスキルの習得、農具の作成に必要な素材集めにアップしたステータスで探索できるようになったダンジョンの探索。
もうね、いつ止めたらいいのか全くわかりません。
次の米作ったら止めようと思ってもステータスがアップするとダンジョンを探索しようと思ってしまう。
ダンジョン探索をして止めようと思っても良い素材を手に入れたらこれを肥料にして更に良い米作れるのではと考えるとまた米を作ってしまいます。
そして、ストーリー進行すれば面白いので続きが気になってまた米作りを始めてしまうのです。
米作り、アクションが良い感じで出来が良いので止め時がわからず睡眠時間を削ってプレイしてしまいます。
主人公と周りが畜生でいながら成長物語で泣かせる
主人公が最初は何も働かない高貴な血を継いだだけの駄女神で実家の遺産を食いつぶすだけの正真正銘のクズでした。
そして、主人公の周りの神も人間も結構なクズです。
イライラを表に出して子供を殴ったり、食べ物が少ないのに盗み食いを働いたり、何も出来ないくせに大飯食らいだったりと正直たまりません。
神も普通に私利私欲で生きるようなクズ行動を平気でするし主人公は平気で暴言も吐くので笑ってしまいます。
しかし、そんな気持ちのいいクズばかりが一緒に米を作っていくことでお互いに内面が成長していく様に不覚にも感動してしまいます。
なにより、主人公のサクナヒメが信じられないくらい人間性が優れるほどに成長していく過程に泣きそうになります。
単なるごく潰しの畜生のクズが主人公らしい主人公として周囲の人達を守るために葛藤しながら成長するストーリーは優秀です。
米だけでなく人としても成長していく過程は泣けて笑えて熱くなれる王道展開としてプレイしていて力が自ずと入ります。
天穂のサクナヒメの気になる部分
基本的に文句はほとんどないですが、サクナヒメの気になる部分について紹介します。
バグで動かなくなることが多々ある
自分はプレイしていて3回ほどあったのですが、意味も無くフリーズして動かなくなるバグが発生します。
気持ちよくプレイしていてもいきなり画面がフリーズしてどうにもならない展開になると結構ショックです。
ただ、オートセーブ対応&すぐにロード画面まで行けるので簡単にやり直しが出来るのでそこまで苦痛ではないです。
伏線は投げっぱなしにされている部分がある
ストーリーは正直に言って良いことは間違いなしです。
ぶっちゃけ泣けて熱い展開の素晴らしいストーリーです。
しかし、一部伏線が投げ出されているのか次作への布石なのかは全くわかりませんが、今作では解明されておらず投げられてしまっている部分があります。
キャラの魅力と王道の展開に全然誤魔化されて気になりませんが、よくよく考えるとちょっと投げられているなと感じる部分があります。
世界観がよくわからない部分がある
日本を模した世界を舞台にした世界設定かと思いきや主人公のいる世界以外にも広大な世界と外国の神が存在しているような匂わせをします。
作中に影響を与えないので全く問題ありませんが、一体全体何がどうなっているのか不明な部分があります。
日本的な良さで押し通すのか外国要素も加えてやっていくのかちょっとフワフワしているような印象があります。
次作への布石なのかもしれませんが、フワフワした設定なので話だけ追うと何が何だかわからない部分があります。
まとめ
アクション、ストーリー、米作りシステムという斬新さ。
全てを取っても高水準に作られている近年稀に見る情熱をしっかりと感じる新しい感じのゲームです。
米作りという奇抜さから想像できない王道ストーリーと続編への布石までしっかりと作る本当にしっかりとしたやるべきゲームです。
是非プレイしてみてください。