ほのぼのした動物の見た目とアニメの説明から悩み相談を聞くだけのアニメと思ってしまいますが、内容はアニメ屈指の名作。
ここ何年かのアニメで一番完成度が高く、現代的な要素を交えたアニメとしてならナンバーワンといっても過言ではない完成度です。
オッドタクシーはミステリー、サスペンスとしてもアニメとしても捉えても面白いです。
オッドタクシーの魅力を紹介します。
シナリオが完璧
オッドタクシーの魅力は何と言っても近年類を見ないほどシナリオが優れている点です。
伏線回収はもちろんのこと、続きが気になる息もつかせぬ展開に引き込まれて流れでずっと見てしまいます。
とにかく最近のアニメはキャラ重視でストーリーはおざなりで作品としての魅力が無いアニメが多かったです。
そんな状況に辟易している人ほどハマるストーリー展開の見事さが最大の魅力です。
全て無駄がないシナリオ構成に加えて、キャラの一人一人が普通に人間味があると言うか邪悪なので理不尽な目に合ってもどこか心地よさがあります。
また、見た目がほのぼのした感じですが実際の内容はかなりエグイミステリーというかサスペンスであり、やっている内容を中和してくれます。
見た目がエグイとかハードボイルド系にしてしまうと確実に誰も見ないので、上手くとっかかりを作ってあるので安心して観ることが出来ます。
そのうえで、アニメという括りを超えた隙のない伏線回収とシナリオ構築でいい意味で騙してくれるのが最高です。
ストーリーだけ見ればアニメ史に残る最高傑作です。
アニメでしか出来ない演出
ストーリーが完璧なのがオッドタクシーですが、ストーリーだけ優れていると別にドラマでもいいじゃんとなってしまいます。
オッドタクシーの良い所は、ストーリーの素晴らしさがアニメだからこそアニメでしか出来ない演出が素晴らしいのです。
アニメの良さ、上手さを全面的に引き出して演出することで唯一無二の作品になっていると思います。
伏線回収のトリックがアニメだからこそ不自然なく綺麗に視聴者を騙せるようになっているのが最高です。
単なるストーリーだけに力を入れているのではなく、アニメなりの良さを上手く盛り込んだ構成です。
アニメで、しっかりとアニメらしい作品って意外に少ないです。
面白くてもアニメである必要性が無いものもあります。
そんな中アニメだからできる最高のシナリオが魅力です。
芸人を活用しきれている
今やどんな作品であっても畑違いの芸能人が出てくるのは時代の流れとして逆らえません。
別にアニメとかにプロ以外が出るのが悪いのではなく、話題性とかだけで全く内容が伴っていないアニメを台無しにしている場合は最悪です。
しかし、オッドタクシーの場合ちょっと気持ちが悪いくらい芸人を活用しきれているので全く違和感がないです。
違和感がないどころか言われないと気付きません。
そのくらい登場した芸人の声当てが上手く不自然でなく溶け込んでいます。
ストーリーもギャグテイストな部分があるので、芸人の方がむしろ上手く出来ているまであります。
単なる話題作りではなく、脚本家の個性の沿ったシナリオに芸人が向いていてキャスティングされている稀有な例です。
声優より作品の空気に合っている上手なキャスティングにより魅力が倍増しています。
現代テイストを盛り込んだ含蓄ある視点
アニメで面白いと言っても全くのファンタジーで現実味が無く面白いものではなく、あくまで現実思考な所がオッドタクシーの魅力です。
現実思考で面白いアニメは沢山ありますが、それでも特に現代の諸問題をテイストに落とし込んだアニメはオッドタクシーしかありません。
現実の諸問題を決して説教臭くなくそれでいて、含蓄がありストーリーの邪魔をせずそれでいて盛り上げる要素になっている。
ちょっと信じられないくらい技量がある作品です。
アイドル、ユーチューバー、ネット社会、正義、恋愛と言った現代を彩るものにスポットを当てて独自のひねくれた解釈を面白く入れる。
ユーモアセンスの溢れ出たところが他にもマネ出来ません。
現代ほど複雑でモヤモヤして誰もが簡単な感情的な問題に気付けない所を不快感無く上手に表現して解決していけるところが正直に言って唸らされます。
センスとシナリオ、アニメだからこその表現によってこの作品はアニメ史に残る最高傑作になっています。
まとめ
オッドタクシーは一見すると無口な主人公が客の悩みを聞くハードボイルド系ほのぼのアニメ化と思ってしまいます。
しかし、実際は動物を隠れ蓑にした重厚なストーリーと含蓄のある視点、綺麗すぎる伏線回収で構成された近年類を見ない傑作アニメです。
アニメだからこそ成し得る出来なので、アニメってやっぱり面白いって思わせてくれる。
昔アニメが好きだったのに見なくなった大人ほどハマれる作品です。