2019年ゲーム・オブ・ザ・イヤーを獲得したSEKIROをクリアしたうえでの感想です。
序盤はやられ過ぎてイライラするので
「SEKIROってつまらない」と感じますが、慣れてくると理不尽な要素が無い自分が上手くなったと感じられる魅力あふれるゲーム。
SEKIROの良さを紹介します。
総合点:92点
ゲームシステム:99点
ストーリー:70点
グラフィック:100点
演出:100点
SEKIROの良かった部分
2019年ゲーム・オブ・ザ・イヤーを獲得したSEKIROの良かった部分について説明します。
倒すときは圧倒できるため上達を実感できる
ダークソウルやブラッドボーンのような死にゲーでありがちな勝った時も体力がギリギリで勝つ、ボス及び道中の敵に理不尽さが無いのが何と言っても素晴らしいです。
死にゲーでありがちなギリギリであとちょっとなのに負けるとかギリギリで勝って爽快感を得るというものがSEKIROにはありません。
負ける時は何の言い訳もできずに負ける、勝つ時は回復アイテムを持て余した状態で圧勝できるのが魅力です。
死にゲーは基本的に覚えゲーですが、SEKIROの場合特にその傾向が強く適当にやって勝つことがまず不可能です。
しかし、一度覚えさえすればどのタイミングで敵の攻撃を弾いてどのタイミングで攻撃すればいいのかわかるので苦戦しなくなります。
同じボスと再戦しても1度勝った後は苦労なくスムーズに倒すことが出来るので、自分が強くなっているのが他の死にゲーより実感できます。
序盤はゲームシステムを理解していないことによりボコボコにされまくるので、イライラすることは間違いなしです。
それでも諦めずにプレイを続けてボスに負けまくり勝つ頃になると本当の意味でゲームシステムを理解できるようになっているちょうどいいバランスです。
序盤を超えたあたりになるとゲームオーバーになる回数も減ってきて、ボスに対してもラスボス以外は何度か挑戦すれば勝てるようになります。
レベルではなくプレイしている自分の成長がこれほど感じられるゲームも少ないと思います。
そして、死にゲーにありがちな意味不明な理不尽さも少ないです。
意味も無く狭いステージで複数敵と戦わせるとかのものはありません。
負ける時は負けるべくして言い訳の余地も無く全て自分が攻撃を読み切れなかったことにより負けたという事実が重くのしかかります。
理不尽でないだけに負けた時には尋常でない悔しさと怒りがこみ上げますが、これが最高のモチベーションになります。
このタイミングで斬る、この攻撃はジャンプで避けるなど反芻しながら画面にのめり込むようにプレイできます。
スタミナが無くアクションが多彩
死にゲーでありがちなスタミナの概念を無くしてくれたことにより理不尽さが消えると同時にアクションが多彩になります。
スタミナがあると敵の中を突っ切れなかったり、途中でへばってタコ殴りにされる面白く無い要素がありません。
スタミナゲージが無いおかげで自由自在に走り回って敵陣を突破したり、隠密に敵の背後を素早くとることが出来るようになっています。
スタミナを気にしなくても良いのでスキル技も多用することが出来るのでタイミングがあえば時代劇チャンバラのように斬りつける爽快感があります。
スタミナゲージをあえて死にゲーで無くしたのは個人的に大成功だと感じます。
勝った爽快感を増幅させる粋な演出
何度も何度も挑んでやっと勝てた時の爽快感だけでも最高なのにそれをさらに増幅させるグラフィックと粋な演出が盛り上げてくれます。
ダークソウルシリーズやブラッドボーンと違って主人公が喋るようになったので雰囲気厨ニから演出まで厨ニになりました。
刀をつばぜり合いして向かい合う演出や飛び上がってスタイリッシュにボスに止めを刺す演出が追加されたことにより攻略後の興奮が倍増します。
敵キャラも喋ることにより散り様がカッコ良かったりとただ倒して良かったでは終わらせない演出が今までの死にゲーと違って完璧です。
そのカッコイイ演出を美麗でリアリティー溢れるグラフィックで表現しているので映画さながらです。
ストーリーは後述しますが、なんちゃっての部分がありますがしっかりとストーリーをつけたことで演出が映えるようになりました。
SEKIROの気になった部分
基本的に面白いゲームですが、気になってしまう部分もあります。
その部分について説明します。
ストーリーは特筆すべきことがない
フロムゲーは基本的にストーリーなんてあってないようなものです。
色々な考察がありますが、所詮考察です。
SEKIROは今までのフロムゲーと比べれば一応ストーリーらしいものがしっかりとしているし主人公も喋るので歴代で一番なのは間違いなしです。
間違いなしなのですが、別段ストーリーで盛り上がることも優れている要素も全くありません。
演出が凄いのでやっていると熱くなって面白く感じてしまう部分もありますが、冷静になるとストーリーは決して面白くはないです。
なんとなくの雰囲気で進んでいくだけです。
一部やっていて楽しくない敵がいる
最初はイライラさせられて
「もしかしてSEKIROってクソゲーなのか?」
と思いますが、よく考えられた慣れれば決して負けない戦闘システムの面白さは最高です。
しかし、中にはやっていて何一つ楽しくないボスがいるのも事実です。
難しいとか以前に
「なんか別のゲームになっていない?しかも、つまらないし・・・」
となるようなコンセプト違いのようなボスもいます。
なんでこんなやつ作ったのかと感じられるボスがいるのは残念です。
レベルアップ要素が感じられない
レベルアップはプレイヤーの実力によるものという純粋な部分は素晴らしいですが、レベルアップ要素がほぼないとRPG好きの自分としては達成感が少ないです。
中ボスやボスを倒すと攻撃や体力が上がりますが、自分の好きなタイミングで好きな項目を上げることは出来ないので無理矢理レールに乗せられていた感があります。
また、武器の進化なども別段感慨深さも無くひたすら実力で倒せて行けるので強くしたときの興奮がイマイチな部分があります。
忍具をあまり活用しない
特定の敵に対する相性属性攻撃のような有効性がありますが、基本的に忍具を活用できず持て余してしまうのも惜しい要素です。
忍びのくせに忍具を活用できない矛盾が生じます。
滅茶苦茶上手くなって華麗に敵を倒せるなら忍具を使ってよりスタイリッシュに決めれるので良いでしょうが普通にプレイすると使わないです。
まず、忍具を使うと形代と呼ばれるアイテムを消費するので変に温存してしまうし、慣れないし忍具を使う余裕がありません。
余裕が出るころには自力で倒せるので別にいらないのです。
また、ある敵にはそれだけで簡単に倒せるものもあります。
しかし、それだとこのゲームの面白さを殺しているので結局使いません。
なので、忍具が飾りになりがちなので見た目がカッコイイくらいしか良い所がないのです。
まとめ
相変わらずコンセプトを間違えたようなボスとなにも無い考察という名の妄想ありきのストーリーですが、死にゲーを一つ上に導いたゲームと言えます。
今までより圧倒的な難易度と実力が問われる反面、自分の実力の向上をこれほど感じられるゲームもありません。
死にゲーで理不尽がほとんど無いのは驚きです。
世界観、演出、言葉遣い、どれをとっても厨ニとしても一級品です。
是非プレイしてみてください。