ペットロスの辛さは愛犬が愛を教えてくれた証

先日14年間ずっとずっと一緒だった家族で我が子同然の犬が亡くなりました。非常に哀しくまだご飯も満足に食べられないくらい落ち込んでいますが自分の命をもって大事なことを教えてもらったような気がします。

今回犬を飼うことによって人として大事な部分に気付けたのでこれからペットを飼う方、飼っている方、亡くなってしまった方にむけて書きたいと思います。

最初から愛なんてない

犬を飼うからにはそれなりに犬は好きでした。しかし、我が子を選んだときはこの子でなくては駄目なんて思いは全くありませんでした。むしろ、この犬でいいかなって感じで軽く決めました。ポケモンでいう「君に決めた!!」ってくらいのノリでした。

だから、最初から愛が無ければ飼えないとか思っている人がいたらそれは間違いです。愛とは情です。情は時間が経つごとに増していくものなのです。最初から愛があるなんて無理だし嘘だと自分は思います。

ただし、責任は必要です。可愛くても散歩や食事をあげなければならないので労力がいります。軽い気持ちであっても全く構いませんが最後まで責任は持つ覚悟は絶対に必要です。人としてもモラルの問題です。

そう考えると結構恋愛に似てるんじゃないかと自分は思うんです。大人になると性格にもよると思うんですが世界でこの人しかいないなんて思わなくなるのでなんとなく「君に決めた!!」ってなると思います。そんな軽いノリでいいけども色々な面倒なことに関してはしっかり責任を取る気持ちが人としてのモラルで必要と考えれば犬を飼うことは恋愛をすることと同義であると思います。

なので自分は最初は愛なんてありませんでしたし、これから飼う人は仰々しいことではないので構えなくていいです。

君が日常になる

最初は特に好きでも嫌いでもなんでもないんですが一緒に過ごしていくうちに犬がいる日々が日常になってくるんです。

考えてください。学校や会社で嫌な思いをして帰ってきたときに必ず嬉しそうに自分を等身大で必要としてくれて愛情を持って接してくれる生き物が我が家にいるという事実がどれだけ人生の糧になりますか。こんなことをされれば誰でも骨抜きにされてしまいます。

結局人生なんて孤独なんて格好をつけても誰かと接したい愛されたいという原始的な欲望から人は逃れられないと思います。それを満たしてくれる存在が犬なんです。

もっと言えば毎日新婚状態が続いているような感覚です。こんなのつまらないわけないじゃないですか。最高です!!

そんな日常が続いていくとペットではなく家族と思えるようになります。そうなれば日常が我が子一色に染まります。犬が日常になるんです。

ここまで溺愛すると不思議なことに家族の中でも会話が活発になります。みんな犬を中心に話をし始めるので自然と会話が続きますし日常のあれこれについて話すようになるので潤滑油の役割をしてくれます。

そうなるとますますこの子がいないと始まらない。日常が全てが犬に染まるようになりますしそうなっても何も苦ではありません。

そんな平凡で幸福な日々があることを教えてくれた。幸せを教えてくれたのが我が子でした。飼っている人はなんとなく理解してくれると思います。飼ってない人も絶対にこうなるので興味があるなら買ってください。

老いることで愛を教える

元気な時は本当に楽しいんです。嬉しそうな顔して飛び込んでくるアイツ。なんとかご褒美を貰おうと画策するアイツ。機嫌が悪いとあからさまに嫌そうな顔をするふてぶてしいアイツ。そのどれもがかけがえのない思い出であり宝物です。

ずっとこのまま愛する赤ちゃんがいるような状態が続いてくれるかと言ったらそんなことはありません。

見た目はずっと可愛いままなのに確実に年をとっていきます。うちの子は心臓肥大と言う病気に11歳で罹ってしまいました。

この時点でショックで泣いてしまったんですが今思えばここから本当に愛するということは何か自らの身をもって教えてくれたんだと思っています。

病気になれば人間と同じように病院に通院しなければなりません。薬も買わなければなりません。薬をなんとか飲ませる努力をしなければなりません。ご飯も食べなくなるので試行錯誤しながら食べさせることをしなければなりません。散歩の時間も暑くないような時間を選んだりと気を使わなければなりません。なにより保険が一切効かないのでお金がものすごくかかります。

正直最後まで面倒を看るというのは綺麗ごとだけでは上手くいきません。ずっと楽しい夢物語なんかじゃないんです。

それでも、上記の事柄を全て乗り越えてでもなんとかしてあげたい。なんとかしてあげるこの気持ちこそが愛なんだと思いました。

相手に対して無償で何かしてあげたい。少しでも一緒の時間を共有したい。何があっても最後まで味方でいてあげたい。綺麗事だけで上手くいかないこともあるがそれをしてあげられるだけの強い覚悟を持つ。いくら頭でわかっていても実際に亡くなれば涙が止まらなくなる。これが生き物を愛するということなんだということを自分は愛犬から学びました。

正直人生で愛なんて考えたことがありませんでした。考えても恋愛なんて性欲なんで答えになんか辿りつけないと思います。辿りつけても綺麗ごとです。介護をする大変さ辛さ哀しさを知ったうえでの発言ではないので言葉が軽いです。

そんな人間にとって一番大事である愛について教えてくれるのが犬なんです。楽しいことばかりではなく辛いことや面倒なことムカつくことだって沢山あります。しかし、一緒に過ごした日々は本当に楽しくかけがえのないものです。そんな一日一日の積み重ねがいつしか愛に変わり人間として大事なことを気付かせてくれるのです。

愛犬と過ごした日々は決して無駄なんかではありません。飼ってない人はこれから是非飼ってみてください。最初は全く溺愛なんかできないと思ってもしてしまうものなんです。飼っている人は今いる子を精一杯愛してあげてください。愛することは絶対に無駄なんかじゃありません。何物にも代えがたい素晴らしいことです。

亡くなって哀しい方はそれが正常です。真剣に愛したということです。誰にも恥じることなんてありません。精一杯胸を張りましょう。あなたは何も間違ってなんていません。愛することを知っている素敵な人間だと思います。

このように犬は自らの命で愛するということを教えてくれます。別に変な宗教とかに入ったわけではありません。これは本当のことなんです。

なので、もし飼おうか迷っている人は是非飼って愛してあげてください。一日一日が二度とないかけがえのない時間になります。

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